性教育のヒント

*こどもはみんな 知りたがり屋さん

「わたしにはどうしておちんちんがないの?」「赤ちゃんはどこから生まれるの?」「ママ、血がでてるよ。いたくないの?」このような質問は5才までに85%の子が、6才までには、ほぼ100%の子がいつかはすると言われています。早い子は、3才で。大人があたふたしているのも知らず、「どうしてお空はあおいの?」と同じ様に、ただ不思議で知りたいだけなんですよね。そんな質問が出た時に、皆さんはどうしますか?

*幼児期から(思春期の前に)性教育を始めるといい理由

今や子どもにはみせたくないポルノ情報があふれかえっています。まだそんな「商品化された過激で歪んだ性情報」にふれてもおらず、「性衝動」のない思春期前には、大人の想像するへんな先入観がありません。(小学校3年生からは思春期前期に突入します。)

大脳生理学によれば、8歳くらいまでにからだや性に対するすこやかな感性やイメージが育っていれば、あとからそれをゆがめるような情報が入ってきても自分でバランスよく判断できると言われています。

国際セクシュアリティー教育ガイダンス ~教育・福祉・医療・保健現場で活かすために(2009年発行 日本語訳 2017年6月15日初版発行 UNESCO:ユネスコ 国連教育科学文化機関 編)でも、5歳から性教育を始めましょうとしています。

*いつから なにをはじめたらいいのでしょう

聞いてきたときに、聞いてきたことをこたえる。これが基本です。嘘をついたり、はぐらかしたり、叱ったりせず、「いい質問だね」と言って答えてあげましょう。できるだけきちんと答えてあげると子どもは安心します。何を聞いてもいいんだ、怒られないんだと子どもが感じる親子関係、安心できる関係をどうぞ今の時期からつくってくださいね。

高校生や大学生におこなった調査では、「親とよく話すほど性行動は慎重になる」という結果もでています。あわててしまって困ったら「うまくお話できないからちょっと待ってね。」と言って、調べたり、気持ちを落ち着かせたりする時間をおくのもよいと思います。

*多くのママが悩むことQ&A

① 赤ちゃんはどこから生まれてきたの?ときかれたら

ママのお腹の中には、赤ちゃんが育つためのお部屋があるよ。

そのお部屋には外に出るためのいのちのトンネルがついてるの。

赤ちゃんはそのトンネルを通って生まれてくるんだよ。

トンネルは女の人のおちんちん(大人の人はそこを性器というよ)にあるよ。

性器には他にもおしっこのトンネル、うんちのトンネルがあって、その真ん中にいのちのトンネルがあるんだよ。」

*こどもが、おしっこやうんちのトンネルの横って汚い!と言ったら?

「おしっこやウンチは何でできてるか知ってる?○○ちゃんのお口でおいしく食べたご飯や飲み物からできてるんだよ。体の中で大事な栄養になったあと、いらなくなったものがおしっこやうんちになって出てくるよ。いらないものをためてたら体がしんどいでしょ?だから、うんちやおしっこが毎日きもちよくでることは大切なこと。からだからでてくるものは、からだからのお手紙といっしょ。いいおしっこやうんちなら、体さんも喜んでいますってことだね。」

② 赤ちゃんはどうやってお腹にきたの?と聞かれたら

小さな頃なら、パパとママが仲良く(ぎゅーっと)するとでもよいと思います。

もう少し大きくなって納得しなければ、性器の役割を伝え、

「性器と性器を合わせると、男の人のいのちのもとが赤ちゃん卵の待つ女の人の赤ちゃんのお部屋にきちんと届けられるよ」

「男の人のペニスがなぜ長いかというとね、女の人の赤ちゃんの育つお部屋まで命の種(もと)を届けないといけないからだよ。女の人は赤ちゃん卵を育てていく子宮というお部屋をもっているから、受け取る側だね。」など。

もっと大きくなれば、

「精子が作られてから卵子のもとに届くためには、人間の大きさにしたらここから月へ行くくらいの距離があるよ。精子は空気中では死んでしまう弱いものなの。だから、できる限り卵子の近くまで大切に送り届けてあげないとね。そのためにペニスは長く進化したんだよ。しかも精子は、お母さんにとっては自分の細胞ではないから、「ばい菌」と同じ扱いをうけるよ。白血球にやられそうになったり、膣内の酸性の中、アルカリ性の好きな精子は溶ける様なしんどさを味わったり大変なんだ。そんな苦難の旅の末、勝ち残った優秀なたった一つの精子だけが命になれるんだね。すごいことだね」と、科学的に説明しましょう。

動物や昆虫の交尾を図鑑で見たり、動物園で発情期の動物を見た時にお話しするのもよいきっかけです。

③ 異性のきょうだいでのお風呂はいつまでOK?

これは、異性の親といつまでお風呂に入ってもよいかと同じ考え方でよいと思います。どちらかが「NO」感じたら、終わりです。恐怖なく安心して暮らせる家庭であるために、どんな時でも「NOが最優先」。

④ いつの間にかアダルトサイトをみていたら?

子どもには幼い時からネットの世界は作り話や嘘もいっぱいであることを伝えたらよいのではと思いがちですが、そこに落とし穴があります。幼児期の子どもは何が作り話で何が真実かの認知の処理が正しくできません。サンタさんはいるし、ディズニーランドは本物の世界です。性的な不適切な描写を見せることは性的虐待にも値しますので、親は気を付けなくてはなりません。小学生になれば、だんだん分かってきます。楽しい世界だけではなく、暴力的な性的な描写や残虐なシーンなど、見たくない世界があることもごまかさずに伝えましょう。

⑤ おちんちんの洗い方が分からない

お風呂に入ったときに、包皮をできる限り体の方へ下げ、お湯で流し清潔を保ちましょう。石鹸はよい常在菌も流してしまうので不要です。汚れをそのまま放置したら、炎症や将来の陰茎癌の原因にもなります。毎日の繰り返しで皮が下がってきます。

泌尿器科医師の岩室紳也先生のホームページも具体的なアドバイスがとても参考になります。「紳也's HP

 ⑥ おちんちんをよく触っているので困る(男子)もう自慰をしているみたいで将来が心配だ・・・(女子)

男女ともに全く問題ありません。ユネスコが発行した世界的な性教育ガイダンスでも、プライベートパーツに興味をもつのは当たり前。自身のパーツにふれるは自然なことである、とあります。

お布団やおうちでリラックスしている時に自慰はみられますが、問題ありません。暇なだけの時もあるので、「お手伝いしてほしいな」「絵本読んであげようか」と、禁止用語は使わず、別の行動へ誘うのもよいと思います。お約束は、「きれいな手で触ること」「他の人が嫌がることをしない。」→「見たくないといわれたらやめようね。」

*性教育の絵本 たくさんのヒントになる本がでています。一部ご紹介します。どれも京都市図書館で借りることができます。

親向け

ママ、パパおしえて!~パパにはオッパイはないの?赤ちゃんはどこからくるの?~ 高柳美知子 子どもの未来社

いのちはどこからきたの?~9歳までに伝える「誕生」のしくみ~ 大葉ナナコ 情報センター出版

メグさんの性教育読本 メグ・ヒックリング ビデオドック・卵子story(ランコ・ストーリー) きくちさかえ 小学館

子ども向け

いのちのまつり「ヌチヌグスージ」 草場一壽 サンマーク出版

せっくすのえほん みずのつきこ 子どもの未来社

おへそのひみつ かがくのとも傑作集 やぎゅうげんいちろう福音館書店

うちにあかちゃんがうまれるの いとうえみこ ポプラ社

おちんちんのえほん やまもとなおひで ポプラ社

おかあさんがおかあさんになった日 長野ヒデ子 童心社

おとうさんがおとうさんになった日 長野ヒデ子 童心社

いいタッチわるいタッチ 安藤由紀 岩崎書店

あっ!そうなんだ!性と生 浅井春夫 安達倭雅子など エイデル研究所

13歳までに伝えたい女の子の心と体のこと やまがたてるえ かんき出版

マンガ おれたちロケット少年  手丸かのこ 子どもの未来社

教員・指導者向け

国際セクシュアリー教育ガイダンス  ユネスコ編

・DVD ドキュメンタリー映画 「うまれる」(医療機関向けDVD)制作・著作 うまれるパートナーズLLP 29,800円

・DVD 妊娠から出産までのCGドキュメンタリー「小さな生命の詩~Life Before Life発売・販売元マクザム 3,990円

・CD-ROM付き パワポ絵本「ドキドキワクワク性教育~①赤ちゃんはどこからくるの?②大切なからだ・こころ③女の子が大人になるとき④男の子が大人になるとき 4冊収録」少年写真新聞社 3,000円+税

・CD-ROM付き 「パワポ月経授業監修 早乙女智子 少年写真新聞社 2,300円+税

・CD-ROM付き「保健指導おたすけパワーポイントブック小谷美知子著 少年写真新聞社 2,200円+税